Dean Pitchford氏のブログ(日本語訳)

昨日日記で書きましたが、ピッチフォード氏がブログで
フットルースを(というかタカラヅカを?)褒めてくださっています。
が、いかんせん英語・・・ということで
訳してもらえんかと某友人に頼まれましたので、
チャレンジしてみました!
すっごい時間かかったわw(byあゆっちラスティ)


せっかくなので、ここにも落としておきます。
氏のフットルースについてのブログはパート1〜3の構成に
なっていますが、私が訳したのは2のみです。


私はプロの翻訳家でも英語の専門家でもありませんので
珍訳、誤訳等あるかもしれませんが、責任は負いかねます。
広い心でお読み頂ける方のみお進みください。

原文はコチラ
ttp://www.rnh.com/blog/2012/07/Let-s-Hear-It-For-The-Girls--Part-II


乙女たちに拍手を送ろう(その2)
ディーン・ピッチフォード


7月6日金曜日、私は大阪の真ん中にある1800のキャパを持つ芸術会館にて、待ちに待った宝塚歌劇団の「フットルース」の最終舞台稽古を光栄にも拝見した。
私はフットライトを落とす前にカンパニーのメンバーたち、劇場のスタッフ、そして宝塚の従業員たちに温かく迎えられ、それから40名の(40名ですよ!)キャスト達は我々のショーが驚異的に潤色されたものを解き放った。


女性が全てのキャラクターを演じるので、男役の中に彼女らの女性的な面が終始透けて見えるのだろうと予想していた。
しかし、ショーが始まって2分で私はパフォーマーとしての男役というものにすっかり順応し、さらに時折「あそこにいるのは女性なのだ!」と自分で思い出さねばならなくなっていた。
16世紀に男性のみでエリザベートを上演した集団や、17世紀の日本の歌舞伎の集団が(21世紀に到るまで)男が女を演じることは可能だと観客に証明してきたのと同じように、宝塚の乙女たちは「あれは男性だ」と我々に信じさせたのだ。


結局のところ、彼女たちがどれだけ鍛錬されているか、ということにつきる。
ごく短いオーディション―10代の終わりの―によって宝塚市にある学校に迎えられた後、若い少女たちは劇団の公演で演じる性別を付与される(※訳者注。男役になるか娘役になるかを決める)。
そして男役を演じる者は、低い音域を作りだすためにその声を鍛えなければならない。又、彼女らは少年あるいは男性らしい座り方、歩き方、しぐさ、そして話し方を学ぶのだ。
彼女らはダンスナンバーにおいてリフトや力強さが求められる動きを行う事を期待されているので、過酷なフィジカルトレーニングを怠らない。


歌劇団に入ることをゆるされた女優の卵たちは、入団のための訓練を行う2年間、学校の制服を身につけ、寮で生活を送る。
数週間の休暇(実家に帰るためなど)を除いて、彼女らは舞台のための勉強に専念し続け、そして時がくると、歌劇団が全国で常に公演できるよう編成された5つの組にそれぞれ配属される。
例えば、『フットルース』を行う雪組―ミュージカルに定評がある―は、65名の生徒で構成され、40名がここ大阪でステージに立つ間、他の25名は宝塚に残ってレビュー作品を上演する。


そしてこの女性たちは大変鍛えられ、アスリート並のスタミナを持つ。
ブロードウェイのパフォーマーは週に8公演という過酷なスケジュールをこなすことで有名であるが、タカラヅカのキャスト達は週に10公演を行うのだ。
そして雪組は7月の終わりに大阪での『フットルース』公演をいったん終了すると、翌月またあの大変なスケジュールで公演を行う福岡市へと全てのものを移動させるのだ。


そんな訳で、舞台稽古の話に戻ろう。梅田芸術劇場のステージにいる全てのパフォーマーはとても素晴らしく、全員が強烈に想像力豊かな、わくわくするようなコスチュームを身にまとっていた。
レンを演じる音月桂雪組の「トップスター」であり(5つの組にはそれぞれ「トップスター」がいる)彼女はその称号を有するにふさわしい存在である。
彼女は役として最高に素晴らしくふるまい、踊り、演じ、ステージにいる間は常に切れ味鋭いタイミング(※訳者注。劇的効果を上げるため所作と台詞のテンポを調節すること)、人をひきつける微笑みと少年のような気勢をもたらしている。
ケイはアリエルを演じた娘役の舞羽美海とのバランスもすばらしかった(タカラヅカのしきたりで、ロマンティックさをもたらすトップコンビは慎重に構成され、ショーの最中も終わった後もお互いに相手役としてふるまう。ミミとケイは体格や歌声の相性、ダンスの技量を考慮の上で数年前にコンビとなり、それ以来ずっと大きな名声と称賛を享受し続けている。)


この作品での思わぬ収穫は、ショウ牧師役として本物の威厳と悲嘆を表現した未涼亜希という女優であった。


後の記者会見で私はそこにいた数十名のレポーターにこのように語った(もちろん通訳を介してである)―我々の作品がタカラヅカによってこのような勢いと芸術性を持って発表してもらったことに対し、震えるほどの思いである。
添付した写真はメディアイベントでのもので、私の左がアリエル役の舞羽美海、右がレン役の音月桂である。


日本滞在ブログの最後のパートでは、喝采を送るファンで埋め尽くされた舞台初日のことを書こうと思う。