日生劇場/梅田芸術劇場『十二夜』を観てきた

今頃…?
というツッコミありがとうございます。
感想書こうと思ってたんですけど、なんだかのばしのばしになってしまいました。


音月桂さんご出演、ジョン・ケアード演出の『十二夜』。
日生劇場の千秋楽が取れたので(LDH先行ありがとう!)
東京までひとり遠征しました。
そして大阪、梅田芸術劇場公演は、母(宝塚時代から音月さんが好き。というか歌ウマさんが好き)と一緒に観劇しました。


ツイッターに溢れる感想をなるべく見ないように…
楽しみにして東京遠征。
千秋楽ということで、リピーターも多かったのか、客席自体があったまってる印象でした。


ちなみに原作は既読で、けっこうおもしろく読ませてもらったんですが
舞台になるとまた全然違う!
というか、シェイクスピアって生の舞台で味わうのが基本なんだと思いました。
もともと舞台のために作られたもの、演じるために作られたものですし。
しゃべくり漫才ばりの(例えがややおかしい)台詞、やりとりの応酬で
ついていくのは結構大変でしたが…
でも笑えましたよ。特に橋本さん演じるマルヴォーリオさんに笑かされました。


笑かされたとはいえ…東京で初めて見た時は
ラストシーンのボロボロになったマルヴォーリオを私は笑えませんでした。
客席はウケてたんですけど。
マルヴォーリオって、嫌な奴かもしれないけど、根っからの悪人ではないわけで。
自分の仕事に矜持があり、忠実に遂行している(だからオリヴィアから信頼もされている)、
そんな自分に誇りを持っていて、でもそれが少し強すぎるというか、
嫌な形で出ちゃうんですよね。だから悪戯されちゃうの。
でもこういう人、現代にもいますよね?!
優等生できっちりしていて成績が良くて、勉強しない人に向かって
「なんでやらないの?やらないからできないんでしょ?」みたいに言っちゃう感じ(笑)。
なので、私はなんだか同情的に見ちゃったかな。


ただ、2回目に大阪で見た時は、展開がわかっていたからか
笑わせてもらいましたけどね。


音月さんはじめ、演者の方々がインタビューでおっしゃっていた通り、
十二夜』のおもしろいところは、
現代でも通用する「人間あるある」がちりばめられていること。
もちろん、ケアード氏の演出力、役者さんたちの演技力あってのことですが
現代でやっても十分通用する、普遍的なおもしろさがあって
それがすごいなと思いました。
自分に似たキャラはなかなかいないかもしれないけど
それぞれのキャラに、「私にも似たところがあるな」という部分があって
そういう見方をするのも楽しいです。


で、音月さんなんですが…
歌の場面が少なかったのはやっぱり残念。
(てか、最後の歌を聞く限り、歌える役者さん揃ってるのに
ミュージカルやらないのもったいなさすぎ!と。)
三役の演じ分けも見事でしたね。
これは宝塚時代の『仮面の男』を見ている者としてはまぁ想定の範囲内
ただ最後の再会の場面はやはりすごかったですねー。
『仮面の男』も2役の入れ替わりがけっこうあったんですけど
それ以上に瞬時の入れ替わりがあり、よくそんな切り替えができるもんだと。
音月さんにはいつも驚かされます(そしてますます好きになる。)


真瀬はるかさん大活躍!てか、音月さんに似てる…
特に横顔というか、横後ろ顔。
日生は1ケタ列のセンターで見てたのに、「?!」ってなりました。
梅芸は2階席だったのですが、周りが「?!」ってなってるのがわかって
おもしろかったです(笑)。
終演後、一緒に行った母は
「最後のとこ、いつのまに?全然わからなかった!」と笑ってました。


それから母は「なんか…禁止用語みたいなの連発してたけど、あれは大丈夫なの?」と。
そうなんですよね。
生の舞台とテレビではまた違うんだと思うんですが。
(ちなみに、その用語、ブルーハーツの歌の歌詞にも出てくるんですけど
カラオケで歌うと歌詞が伏字になってるという。)
だからDVD化できないのかもなー、と少し思ったのでした。
(本当の理由はわかりません。)


音月さん、映像で見られるのもとっても楽しいし嬉しいけど
やっぱり、時々でいいから舞台もやってほしい。
ていうか、歌ってくれー!!!!(心の叫び)