『ブラックメリーポピンズ』を観てきた

音月桂さん、おかえりなさい!!


挨拶の「本日はBMP初日にお越しいただき…」を聞いた瞬間、
あぁ、桂さんだ、と。
カテコも3回ほどあり、観客もスタオベ。
ほぼ満席の客席から起こる割れんばかりの拍手は
客席で聞いていても気持ちよかったですし、
キャストさんたちのほっとしたような表情を見て胸にぐっときました。

そして桂さん、最後は一路さん(と小西さん?)に
押し出される形で、1人で出てきて挨拶してくださいました。
キャストのいい雰囲気が伝わってきましたよ。


ということで、ブラメリ初日を観劇してきました。
(前置きから長いよもう…)
夜行バスで往復0泊2日ということを考えると、
(スケジュール的に)どう考えても初日しか見られる日が無くて、
LDH先行が当たったのは本当に幸運でした。


強行軍だったけど、見に行って本当によかったです。
何度も涙しました(うち1回は笑いすぎで泣いたという。笑)


運よく初日に行けましたので、早めに感想アップします。
タカラヅカじゃないので、ネタバレしないように努力します。


なお、音月桂さん以外のキャストの方は「はじめまして」ですので
一路さん、小西さん、上山さん、良知さんのファンの方にとっては
トンチンカンな感想になってしまうかもしれませんが、ご了承ください。


そして席は1階前方でしたが下手寄りで、ちょっと見づらいところもありました。
(感想にはそんなに影響はしてないと思いますが…。)
世田谷パブの舞台は間口が狭くて、奥行きがけっこうあるので正方形みたいな舞台なんですね。


いやぁ、本当に見てよかったです。本当によかった。(何回言うw)
音月さん目当てで行ったのですが、他のキャストの方もすごく素敵で
普通にファンになっちゃいそうでした(笑)。
プログラムを購入すると、好きなキャストのポストカードを1枚つけてくれるのですが
私は開演前に買ったので、オールキャストのものに惹かれつつも
「どれにしますか」と聞かれたら「音月さんので」と即答していて(笑)。
でも、終演後に買ってたら絶対オールキャストのものにしたと思います。
それくらい魅力的なキャストさんたちでした。


「心理スリラーミュージカル」の名にふさわしく
ストプレっぽいミュージカルという印象。
普段はヅカばかり見るもので、そのダークさに圧倒されました。


ストーリーは、おそらくこういうことだろう、ということは
あらすじを聞いて想像はついていました。
心理スリラー、森の中のお屋敷、博士が養う孤児たち(その中に女の子が1人)、博士の謎の死、記憶喪失…
とこれだけ揃えばサスペンスが好きな人や、
心理学・社会学・精神医学あたりに興味のある人は
ピンとくるのではないでしょうか。
あとは答え合わせ…と思いつつ見ていたのですが、
キャストの皆さんが素晴らしすぎて、ひたすらその世界に引き込まれていました。
あ、ちなみに私の想像は間違ってはいなかったものの
「そこまでは考えてなかったわ〜」という感じ。
私の考えは、浅かったです(苦笑)。


5人のキャスト、セットはシンプル。
ソファの角度で場所や時間の移動などを現す演出、好きです。
小道具やライティング、SEも効果的。


「私は理系だからこういう風にしか作れない」と演出の鈴木さんは
おっしゃっていたようですが(プログラムより)
本当に、パズルのピースをひとつずつはめていくというか、
推理小説のページをめくっているかのようで、いやーすごいって思いました。


途中、音月さんのコミカルなシーンがあり
(あれは男役というか、シモーヌ@青い鳥な気がする笑)
けっこう引っ張るのですね。
見たときは音月さんのファン以外の方はどう思うのかしら?と思ったのですが
ラストまで見ると、これも多分鈴木さんの計算なのかなと。
終始ブラックな雰囲気にあって息をつく場面も必要、ということもありますが
アンナのキャラは単なる優等生や「しっかり者の女の子」というよりは
少しお転婆で、やんちゃで、女王様っぽい、
(男の子たちを従えるような…クレヨンしんちゃんのネネちゃんが近いような。あれよりもずいぶん年齢は上なのですが)
そんなキャラの方が後に生きる出来事に対する観客のショックは大きいと思うんですよね…
ま、優等生キャラだとハンスとかぶるというのもあるかもね、うん。


アンナ役の音月さんはソプラノにまだ不慣れなご様子も、
アルト音域の美しさが素晴らしい。
男役の時からですが、声質がよくて、聞いていて心地いいんですよね。
芝居も私にとっては「これぞ音月桂の真骨頂!」という感じで
こういう役をやってくださって嬉しかったです。
ハンス役の小西さんは長男役がぴったり。
正義感があって、それが自分以外の人にとっても最良だと信じている。いるいるこういう人―(笑)。
歌も明瞭で「さすが!」と。
ヘルマン役の上山さん、コミカルな雰囲気を(子ども時代)持ちつつも
優しくてかっこいい。
「ただかっこいい役にするわけないじゃない」(鈴木さん談)
いえいえ、じゅうぶんかっこいいです。彼氏にするならヘルマンです(笑)
ヨナス役の良知さん、難しい役どころでしたが、素晴らしいお芝居でした。
東宝版ロミジュリのマーキューシオときいて、なるほど!と。
メリー役の一路さんは、その存在感だけで舞台の空気をがらっと変えておられて
さすがだなと思いました。
家庭教師メリーは慈愛に満ちていて、一路さんもお母さんだもんね、と納得。


一路さん以外のキャストはほぼ出ずっぱりでセリフ、歌の量が多いですが
キャストさん5人ともそれらに囚われることなく繊細な役作りをされていました。
4人は特にナンバーが多いのですが、皆さん歌がお上手で
歌詞も聞き取りやすかったのがよかったです。
ミュージカルは歌詞聞き取れないと客が置いて行かれますからね…
それにしても難しそうな曲ばっかりでした。
音楽にはあまり明るくない私ですが「そうくるか?!」みたいなメロディーライン。
でも美しい旋律で、聴きごたえのある楽曲なのでぜひCD化をお願いしたい!


ちなみに本作はDVD化するそうで、会場では予約を受け付けていました。
私は予約はしませんでしたが…
というのも、本当にブラックな、ダークなお話なので
DVDでもう一度見る気になるんだろうかと(苦笑)。
そっち系のトラウマある人にはけっこうきついと思う…本気で。
でも、キャスト5人の素晴らしさをもう一度堪能したいとも思うので
結局購入に至る気がします。


でも、DVDよりも絶対生で見た方がいい!!
世田谷パブリックシアターは、小さ目ですけどいい劇場だと思います。
迷っておられる方はぜひ観劇することをお勧めします。
ネタバレしなくてもこれだけ長々と感想を書けることが
この作品が見ごたえがあるということの裏付けの1つになるかと思います。
これをソ・ユンミさん1人で歌も台本も演出もされたというのがすごい。
だからこその疾走感というか、息もつかせず一気に読ませる推理小説のような
そんな舞台になっているのでしょうかね。
ソ・ユンミさん、会場に来ておられたんですけど
控えめな感じの女性でした。


韓国版とはずいぶん変わったようですが、韓国版も見たくなりましたね。
といっても韓国には行けないので、日本で上演してください(笑)。